電動ガンの教科書: BCM AIR MCMR の分解方法
今回、分解方法をご紹介する BCM AIR MCMR 電動ガン は、実銃メーカー BCM (Bravo Company Manufacturing)がエアソフト・トレーニング部門として公式にライセンス供与する BCM AIR から発売された初の電動ガンです。
BCM MCMR はOEM生産として VFC ( Vega Force Company )が製造しておりますが、同社の電子トリガー【 Virgo 】やMAPLE LEAFのドラム式チャンバーが標準搭載されるなど、豪華仕様となっております。その他の内部パーツ等は基本的に他のVFC製電動ガンと同じ物が使用されています。
BCM AIR MCMR 電動ガンの分解方法
①レシーバーの分解
まずはM4系電動ガンの分解の基本、アッパーレシーバーとロアレシーバーを分解していきます。
作業に取り掛かる前にあらかじめストックを外しておきましょう。
ストックは後端まで引っ張るとストックパイプ後端で引っ掛かるようになっており、そのままレバーを握っているだけでは完全に外せません。
このストックの外し方は少し特殊で、①レバーを握るとレバーと内部のバーの横穴が合うので、そこにピンポンチなど棒状の物を差し込み、一緒に下に引き下げながらストックを後ろに引っ張るとストックパイプから抜く事が出来ます。
ここからがレシーバー分解のスタートです。
①アッパーレシーバーをロアレシーバーから外すにはまず、フロント側のフレームロックピン(ピボットピン)をピンポンチで左側から右側に叩いて外します。ストッパーがあり完全には外れませんので、止まる所まで押し込めれば大丈夫です。
②その後、チャージングハンドルを少しだけ引きアッパーレシーバーを前方向にロアレシーバーを後ろ方向にスライドさせて分解します。
注意点としては、この時にダミーボルトが前に戻っている状態である事を確認して下さい。後方でロックされている場合はボルトキャッチボタンを押してボルトリリースしてから行って下さい。これでアッパーレシーバーとロアレシーバーが分解できます。
インナーバレルやホップパッキンの交換など、チャンバー周りが外せればOKという場合は、この段階でアッパーからチャンバーが外せます。
ストックパイプの取り外し
メカボックスをロアレシーバーから取り出す為には、ロアレシーバーの各パーツを外さないと始まりません。まずはストックパイプを外します。
ストックパイプ後方から長めのプラスドライバーを差し込み、ストックパイプ基部にある固定ネジを外します。
これだけでストックパイプは外れるのですが、ストックパイプ内にバッテリー配線が通っているので、分解時も組込み時も配線を傷つけない様に注意しましょう。
グリップとモーターの取り外し
次にグリップを外します。通常の電動ガンはグリップエンド(底)がネジ止めとなっているのですが、この機種の BCM グリップはフックを外すだけとなります。
まずは①グリップエンドの両側のツマミを押さえ固定フックを外し、②そのままグリップエンドを下に下げます。
グリップエンドを下げますと中に樹脂製のモーター固定用ステーが入ってるのでそれを取り出します。
グリップ内部のモーター配線は、機種によりそれぞれ配線の立ち上げ方が違うので、モーターを取り出す前に必ず配線の立ち上げ方、モーターの + - の位置を確認します。
組込の際に違う立ち上げ方をするとモーターの角度が変わり異音の原因になったり、最悪はグリップエンドがはまらない事もあります。カメラで撮っておくと良いですよ。 MCMR についてはこの記事を見てください!
BCMグリップは前側から二本の配線が立ち上がり、マイナス配線(黒)がモーター底を3/4週取りまわして端子に差し込まれています。モーターの前方向がプラスということになります。
この状態を確認し覚えたら、それぞれの配線をモーター端子から抜きます。
この時に無理に配線を持って引き抜くと端子が折れる事があるので、端子を直持ちして慎重に引っ張るか、小さめのマイナスドライバーで起こす様に引き抜い下さい。
端子を外しモーターも取り出すと、グリップの奥に固定ネジがあるので2本とも外します。 MCMR 電動ガンのグリップは2本でしたが、4本で固定している機種もあります。
ロアレシーバー各パーツの取り外し
メカボックスを取り出すまでもう一歩です!ボルトキャッチ、マガジンキャッチ、トリガーロックピン、リアフレームロックピンを取り外していきます。
①ボルトキャッチは細いピンポンチ(2mm程度)を前から差し込み、ハンマーで軽く叩けばピンが抜けボルトキャッチが外れます。
②マガジンキャッチは右側のボタンを押し込み左側のキャッチ部を目一杯引き出した状態で反時計回りにグルグル回すと外れます。
③トリガーロックピンは左側にピンのギザギザがあり外す方向が決まっています。必ず右側から左側に向かってピンポンチをあてて叩きだします。
④リアフレームロックピン(テイクダウンピン)は左側から右側に向かってピンポンチで叩いて抜きます。フロント側のピボットピンの時と同様、動くところまでで大丈夫です。
メカボックスの取り外し
ここまでピン・レバー類を外せば、いよいよ本丸、メカボックスの取り出しです。
セレクターレバーをSAFEとSEMIの中間に合わせ、メカボックス後方を持ち上げながら前方向に動かすとメカボックスが抜き出せます。
配線周りの見直しであればここまででOKですが、電子トリガーやギア・ピストン・シリンダー周りを見直す際は更にメカボを開ける必要があります。
次の項目からいよいよメカボックスオープンですよ~。
MCMR のメカボックス オープン!
取り出したメカボックスを開ける前に、 MCMR 電動ガンのメカボックスはQDタイプのスプリングガイドとなっており、メカボックスを開けなくても後方からスプリングガイドとスプリングが取り出せます。
一昔前の電動ガンのメカボックスは、ボルトを全部外してパカっと開けないとスプリングが取り出せませんでした。最近はQDタイプが増えメカボックスを開けなくてもスプリング交換ができ、とても便利になっております。
いちいちメカボックスを開けなくてもスプリング交換やスペーサーの追加で初速調整がしやすいのはとてもありがたいですね!
また、メカボックスの開け閉めをする際でも、先にスプリングを抜いておける事でスプリングのテンションが掛からないので作業が楽になっています。
MCMR のメカボックスの場合は、六角レンチをスプリングガイド後部に差し込み少し押しながら90度回転させればスプリングガイドが後ろに抜け、スプリングもそのまま取り出せます。
ではメカボックスの分解を続けましょう。メカボックスを開ける際はノズルが右側を向く様に置きます。まずはメカボックス右側のボルトキャッチと連動するダミーボルトストッパーのネジを外しストッパーを取り外します。
続いてモナカ構造のメカボックスを留めている外周のネジを8本、全て外します。全て同じネジと思いきや、長さや頭の形状が違うネジが使われていますので、どこにどのネジが使われていたかチェックしながら外してください。
これらのネジを外せばメカボックスを開けられるのですが、すんなりとは開かないことが多いです。モーターを差し込む穴やスプリングガイドを差し込む穴などに、細めのドライバーを差し込んで手首をこねると静かに綺麗に開ける事が出来ます。
これが BCM AIR MCMR のメカボックス内部です。
MCMR 電動ガンのメカボックスはVer.2タイプですので、ギアやピストン・タペットプレート・逆転防止ラッチなどVer.2系のパーツが使用できます。
これでオーバーホールやパーツの交換が可能ですね!ご自身の目的に合わせた作業の参考にしてみてください!
オルガエアソフトでは電動ガンカスタムのご依頼だけでなく、お客様ご自身でチューンナップを行うユーザー様向けにカスタムパーツの販売やご相談の受付も行っております。